養殖のこと「安全性」編

水産用医薬品について

水産用医薬品とは?
近年はワクチンが開発され、病気への対応が大きく変わってきています。「治療」から「予防」へ

魚などの病気の治療や予防に使用される薬です。 魚の健康管理は、魚類養殖を行う上で大変重要なポイントです。以前は波風の少ない湾の奥で養殖していましたが、養殖技術が進歩し、沖合の潮流の早い漁場で養殖することができるようになりました。その結果、魚のエネルギー要求量を計算した適正な給餌を行うことで、より健康で身の締まったおいしい魚を育てることができるようになりました。しかし、魚も私たち人間と同じように病気になった時は魚のお医者さん(魚類防疫士など)の診断を受け、必要があれば薬による治療を行います。

水産用医薬品
  • 病気の予防:ワクチン
  • 病気の治療:抗生物質・合成抗菌剤・駆虫剤

ワクチン接種(注射)には、指導機関の受講修了書が必要です!

ワクチン以外の薬の使用量は大きく減っています。

水産用医薬品は、私たち人間が使用している医薬品と同じように「薬事法」に基づいて承認されており、魚ごとに使用方法、休薬期間などが厳しく定められています。

水産用医薬品の使用フロー

水産用医薬品は、このような徹底的な管理の下で使用されています。

  1. 養殖業者
  2. 漁業/水産試験場などの研究機関(魚の持ち込み)
  3. 養殖業者(診断・治療法の指導と薬剤発注)
  4. 漁業・漁協/販売代理店・製薬会社
  5. 養殖業者
  6. 投薬・作業記録

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水産用ワクチンQ&A

水産用医薬品は、このような徹底的な管理の下で使用されています。

Q1 水産用ワクチンとは?

魚由来のウィルスや細菌等の微生物からつくられ、特定の病気を予防する水産用医薬品です。ワクチンは、エサに混ぜて与える方法と注射する方法があります。

Q2 ワクチンの良い点は?
病気になりにくい体をつくるんだ!

ワクチンは、「免疫」の働きを利用して病気を予防する技術です。稚魚のうちに接種されたワクチンによる「免疫」だけが残って病気の予防に働くため、病気が発生するたびに抗生物質で治療する従来の技術と比較して薬剤残留の心配がないことなど、数多くの利点があります。

Q3 どのように使われていますか?
魚も健康な状態で予防接種を受けます!人間の予防接種と同じです!

投与される魚自体が健康でなければ、ワクチンの防御効果が発揮しにくくなるため、投与前後の適切な飼育管理、衛生管理が必要です。このことから、適切な給餌、適切な飼育密度および酸素が十分な状態で健康に育った魚に接種されます。

Q4 ワクチンの安全性は?

動物用医薬品であり、薬事法に基づく国の承認・検定など各種制度により品質・有効性および安全性が保証されています。

Q5 ワクチンの購入および指導機関の指導はどうなっているのですか?
購入および指導の手順
  1. 指導機関に連絡
  2. 水産用ワクチンの指導を受ける
  3. 指導書の交付
  4. 必要量を購入

都道府県の水産試験場、家畜保健衛生所などの指導機関が指導しています。 使用する場合は、上記指導機関に連絡し、水産用ワクチン使用の指導をうけるとともに、指導書の交付を受けて必要量を購入します。

Q6 ワクチンの使用にあたってどのような注意がされていますか?

ワクチンは以下の項目等に注意をして使用します。

  • 対象となる病気以外のものには効かない。
  • 免疫を獲得するのに日数がかかるため、病気の発生時期を踏まえあらかじめ投与する。
  • 使用に際しては必ず指導機関の指導を受ける。
  • 使用前に使用説明書を良く読み、用法・容量、使用上の注意などに従って使用する。
  • 投与前、魚の健康状態をよく観察し、異常のある場合には投与しない。
  • 開封したワクチンは一度に使い切る。
  • ワクチンは2〜5℃の暗所に保存し、凍らせない。