養殖のこと「養殖魚のえさ」編

養殖魚のエサについて

養殖が始まった頃は、日本海付近でマイワシが豊富に捕れていたことから、生餌が与えられていました。 しかし、マイワシの減少、養殖魚の品質向上、漁場環境の保全等の理由から、安定して入手でき、より優れた餌の開発が進められてきました。そこでつくられたものがMP(モイストペレット)であり、DP(ドライペレット)です。 主に使用される餌は、時代と共に生餌→MP→DPと変わってきていますが、現在は水温や魚の成長都合など、様々な要因により3種を使い分けているというのが現状です。

使用されているエサの流れ
  • 生餌/魚の切り身
  • MP(モイストペレット)/水分を含んだ固形のエサ
  • DP(ドライペレット)/乾燥した固形のエサ
魚の栄養はもちろん、環境についても考えられているんだよ!

今は、養殖魚を生餌のみで飼育している人はほとんどいません。将来的にはDPのみで魚を養うようになることが予想されますが、現在はDPとその中間にあたるMPを使い分けています。

生餌
種類 生餌
形状 生魚の切り身
原料 カタクチイワシやサバなどの多獲性魚種
使用状況 現在では、生餌のみを与えることは少なく、主にMPの原料として使用されています。
魚が食べるエサは人が食べても大丈夫だよ!
MP(モイストペレット)
種類 MP(モイストペレット)
形状 半生の固形タイプ
使用状況 混ぜ合わせる割合を変えたり、ビタミンなどの栄養剤を加えることもでき、養殖業者自らの判断で、魚の様子に合わせたエサを作れるため、現在最も多く使用されているエサです。
DP(ドライペレット)
種類 DP(ドライペレット)
形状 乾燥した固形タイプ
使用状況 養殖する魚に合わせて、バランスよく栄養素が入っていて、しかも形がしっかりとしているため、水に入っても崩れることはなく、ほぼ100%魚の口に入るため、環境に優しいエサといえます。

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給餌方法について

給餌に対する基本的な考え方。

過去:飽食給餌

お腹がいっぱいになるまで、たくさん与えていました。残ったエサが海を汚したり魚が脂っこくなったりと問題がありました。

現在:適正給餌(魚の成長や味はもちろん、自然環境に配慮。)

栄養学をもとに魚のエネルギー要求量を計算してエサを与えているので、環境に優しい! 消費者の好みにあわせたおいしい魚が育てられています!

エサのやり方について
手巻き給餌
種類 手巻き給餌
主な対象魚 稚魚やトラフグ、ヒラメなど
使用方法 小さい魚やゆっくりエサを食べる魚(トラフグ、ヒラメなど)への給餌方法です。
給餌船給餌
種類 給餌船給餌(機械給餌)
主な対象魚 ブリ(ハマチ)、カンパチなど
使用方法 船に備え付けた専用の機械を使ってエサを与えます。 エサを勢いよく沢山食べる魚への給餌方法です。
DP(ドライペレット)
種類 自動給餌(機械給餌)
主な対象魚 マダイ、シマアジなど
使用方法 生簀(いけす)中央に設置した自動給餌機で魚にエサを与えます。 毎日魚の状態や水温を確かめ、エサの量や給餌時間等を設定します。

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