熊本県の養殖の歴史
豊かな自然に恵まれ、古くから優れた漁場として全国に知られる熊本の海。 その地形と温暖な海峡を生かし、昭和30年代から天草海域を中心に熊本の魚類養殖は本格的に始まりました。
【魚類養殖】
昭和37年の熊本県水産試験場事業報告書に「昭和36年に深海湾にフグ養殖場が開設され、…。」とあり、本県のトラフグ養殖は昭和36年に牛深市深海町(現:天草市深海町)の網仕切蓄養が最初であり、昭和56年頃から人工種苗を用いた養殖が熊本で始まった。
昭和40年には天然のマダイ幼魚が養殖用種苗として注目されるようになったので、種苗として利用できるタイ類幼魚の聞き取り調査を行い、赤崎の童鯛手繰網で25~30万尾、大多尾の吾智網で4.5~7万尾のタイ類種苗が入手可能とし、県内種苗の需要には十分であるとしている。
同時に昭和40年にマダイ養殖の予備試験を行い、昭和41年から熊本県水産試験場牛深分場で当才マダイの養成試験に着手している。また近畿大学を中心に天然種苗より成長が速い人工種苗が開発され、養殖場での利用が進んだ。
昭和35年に熊本県水産試験場牛深分場がモジャコの分布、採捕に関する調査を行い、ほぼブリ養殖の種苗の確保の見通しを得たので、昭和36年に天草郡御所浦村嵐口地先(現:天草市御所浦町)の前島防波堤内を試験地として、宮崎県産及び本県産モジャコ6,000尾を搬入し、ブリ養殖の試験研究をはじめ、昭和37年には業者によるブリ養殖が始まった。
昭和55年以降人工的に受精卵が得られ安定的な人工種苗の供給が始まって以降、本県でも牛深市(現:天草市牛深町)で養殖が始まった。
【熊本県の地位】
熊本県の占める地位(平成23年)
海面養殖業生産額 熊本県:26,075(単位:百万円) 全国に占める熊本県の順位:4位
海面養殖業生産量 熊本県868,720(単位:トン) 全国に占める熊本県の順位:5位
養殖収穫量(平成23年) ■フグ類 283(単位:トン) 全国に占める熊本県の順位:2位 ■マダイ 8,789(単位:トン) 全国に占める熊本県の順位:2位 ■ブリ類 7,605 (単位:トン) 全国占める熊本県の順位:6位 ■シマアジ 490(単位:トン) 全国に占める熊本県の順位:4位
※資料:農林水産統計、漁業・養殖業生産統計年報、漁業センサス
豊かな自然に恵まれ、古くから優れた漁場として全国に知られる熊本の海。 その地形と温暖な海峡を生かし、昭和30年代から天草海域を中心に熊本の魚類養殖は本格的に始まりました。
図:熊本県での養殖魚(魚類計)の収穫量、生産額
出典:農林水産省 農林水産統計年報
図:熊本県での養殖魚(フグ類)の収穫量、生産額
出典:農林水産省 農林水産統計年報
図:熊本県での養殖魚(マダイ)の収穫量、生産額
出典:農林水産省 農林水産統計年報
※H24はブリ類の数値がなく、収穫量はブリとカンパチの合算値を用いております。
図:熊本県での養殖魚(ブリ類)の収穫量、生産額
出典:農林水産省 農林水産統計年報
図:熊本県での養殖魚(シマアジ)の収穫量、生産額
出典:農林水産省 農林水産統計年報